匂いづわりが激化し、ネギすら受け付けない究極の「具なし・かけそば生活」をスタートさせた我が家。これでしばらくは乗り切れるだろうと安堵していたのですが、つわりの恐ろしさはそんなに甘くありませんでした。わずか3日後、またしても妻の味覚に急激な変化が訪れたのです。今回は、次に妻が指定してきた「予想外の食べ物」と、それに伴う新たな問題についてお届けします。
かけそば生活の崩壊と、予想外の「塩ラーメン」要求
「ごめん、もうお蕎麦の匂いもダメかもしれない…」
かけそば生活を始めてたった3日目のことでした。蕎麦のつゆの匂い、そして蕎麦粉独特の風味が急に鼻につき、吐き気を催すようになってしまったのです。
次は何なら食べられそうか、スーパーからテレビ電話を繋いで確認していると、妻の口から予想外の言葉が飛び出しました。
「ラーメンが食べたい。あっさりした塩ラーメンならいけそう」
一見、ラーメンというと「脂っこい」「添加物が多い」という印象が強く、妊婦には一番良くない食べ物なのでは?!と僕は焦りました。しかし、食べられるものがそれしかないという極限状況では、致し方ありません。
妊婦にカップ麺はNG?塩分過多のリスクと対策
僕は急いでスーパーの麺コーナーへ向かい、某有名製麺メーカーの「5食入り袋麺(塩味)」をカゴに入れました。さらに、僕が仕事で外出している時でも、妻が一人でお湯を注ぐだけで食べられるようにと「カップ麺の塩ラーメン」も大量に購入しました。
もちろん、ここでも条件は同じです。野菜や卵などの「具材は一切入れない、素のままの塩ラーメン」であることが絶対ルールでした。
ここで夫として一番気になったのが「塩分の摂りすぎ(妊娠高血圧症候群のリスク)」です。妊婦の1日の塩分摂取量の目標は6.5g未満とされていますが、カップ麺1個には約4〜5gもの塩分が含まれています。
これを防ぐため、僕たちは一つのルールを決めました。それは「スープは絶対に飲み干さず、麺だけを食べる」ということです。スープを残すだけでも、塩分摂取量を半分近く減らすことができます。
妻に合わせる?夫自身の食事をどうするか問題
妻が塩ラーメンしか食べられない状況下で、もう一つ浮上したのが「夫である僕自身の食事をどうするか問題」でした。
比較的よく食べるタイプの僕にとって、具なしの素ラーメンだけではすぐにお腹が空いてしまいます。かといって、妻の前で焼肉弁当を食べたり、匂いの強いカレーを作ったりするのは、匂いづわりで苦しむ妻への完全な「テロ行為」になってしまいます。
そこで僕が編み出したのが、「満腹感アップ作戦」でした。 妻用の「具なし塩ラーメン」を作る横で、自分用の鍋にはキャベツ、もやし、豚肉をこれでもかと大量に投入し、二郎系ラーメンのようなボリューム満点の塩ラーメンを作るのです。味付けは同じ塩ベースなので匂いのテロにはならず、僕自身の食欲もしっかり満たすことができました。
「妊婦にカップ麺なんて」と顔をしかめる人もいるかもしれません。でも、何も食べられずに脱水症状で倒れるよりは、何倍もマシなのです。こうして僕らの、新たな「塩ラーメン生活」が幕を開けました。次回は、この塩ラーメン生活の果てに訪れた、さらなる味覚の変化についてお届けします。



