・かけそば(つゆと麺のみ) ・塩ラーメン(スープと麺のみ)
激しい匂いづわりと味覚の変化によって、数日単位でコロコロと変わる妻の「食べられるものリスト」。塩ラーメン生活を卒業した後に妻が求めてきたのは、やはりこれしかありませんでした。
そう、「うどん(つゆと麺のみ)」です。 今回は、妻のために良かれと思って取った僕の行動が見事に裏目に出た失敗談と、起死回生の大成功を収めた「カップ麺のフニャフニャ作戦」についてお届けします。
夫の空回り。「良かれと思って」の本格讃岐うどん
日頃から、我が家はうどんを食べる機会が多い方でした。冬場は鍋を囲むことが多く、その締めとして冷凍うどんを楽しむのが定番だったからです。そのため、戸棚には乾燥麺、冷凍庫には冷凍うどんが常にストックされていました。
もちろん、某有名カップ麺「◯んべえ」などのシリーズも常日頃から常備してありました。しかし、今の妻はつわりの症状により、脂っこいお肉はもちろん、卵やネギなどの具材すら一切受け付けない「完全具なし状態」でしか麺を食べられません。
「具がないからこそ、せめて麺だけでも素材の良い、美味しいものを食べてほしい」
夫としての謎の使命感が湧き上がった僕は、スーパーでちょっとお高めの「うどん(半生麺)」を見つけて買ってきました。さぬきうどん風のぶっとい麺で、表面はつるつる。茹で上がった麺は見るからにコシがあり、食べごたえ抜群です。
「これなら絶対満足してくれるはず!」と自信満々で食卓に出し、僕も一緒に食べて「うん、美味い!」と大満足していました。
しかし、満足していたのは僕だけでした。 妻は数本すすっただけで箸を止め、辛そうにこう言ったのです。
「ごめん……コシがありすぎて、噛むのが疲れるし、喉を通りにくい……」
つわり中の妊婦に「コシ」は不要だった
またもや撃沈です。 冷静に考えればわかることでした。つわりで胃腸が弱りきり、吐き気と闘いながらなんとか食事を口にしている妊婦にとって、噛みごたえのある「強いコシ」は、ただ胃やアゴに負担をかけるだけのハードルだったのです。
しかも、その本格さぬき風の麺は、僕が慌てていくら鍋で煮込み直してもその強靭なコシが失われることはなく、結局僕が全部食べる羽目になりました。(ま、僕はうどんが好きだから全然良いのですが…笑)
妻が求めていたのは、高級な素材や本格的なコシではなく、「胃に優しくて、噛まずにツルンと飲み込める柔らかさ」だったのです。

起死回生の「10分どん兵衛」フニャフニャ作戦
とにかく柔らかくて、スルスルと口に入る麺を! そう考えた僕が次に用意したのは、戸棚の奥にあったお馴染みのカップ麺「◯んべえ」でした。
しかし、普通に作ってはまた同じことの繰り返しになるかもしれません。そこで僕が取った作戦が、お湯を入れてから指定の5分ではなく、倍の「10分」待つという、名づけて「フニャフニャ作戦(巷では10分どん兵衛とも呼ばれています)」です。
10分経過してフタを開けると、お湯をたっぷりと吸い込んだ麺は、お箸で持ち上げるとちぎれそうなくらいフワフワ・トロトロになっていました。
これを妻に出してみたところ…… その効果はてきめん(「めん」だけに…笑)でした!!
「柔らかくて食べやすい!これならいける!」と、なんなく一人前をペロリと完食することができたのです。ただし、付属の粉末スープに入っている乾燥のネギなどの細かい薬味は、やはり匂いや食感がダメなようで、お箸で器用に避けながら食していました。
結論:素材など関係なし!食べられるものを食べる!!
今回の「うどん騒動」を経て、夫である僕が身を持って体感した結論があります。
それは、つわり中の食事において「素材の良さ」や「栄養バランス」なんてものは二の次でいい。とにかく『今、本人が食べられるものを、食べやすい形で食べる!』ということが何よりも最優先である、ということです。
「妊婦なんだから栄養のあるものを食べさせなきゃ」「添加物は良くない」と頭でっかちになっていた僕の「良かれと思って」は、妻にとってはありがた迷惑でしかありませんでした。
フニャフニャにふやけたカップうどんでも、それが今の妻にとっての命を繋ぐ最高のごちそうになるのです。つわりで苦しむ妻を支える全国のプレパパの皆さん、時には栄養学の常識を捨てて、妻の「今食べたいもの(食べやすい形)」に全力で応えていきましょう!


